カイショーナシ

 お約束どおりやって来ました第3波。

 とは言っても、理由は暴走したウイルスが襲ってきているのではなく、人間のほうから近寄っているからです。

 日本中が恐怖していた第1波の頃、良くも悪くもこの危機を脱するための一体感がありました。でも今はどうでしょうか、一般市民レベルではもう未知との戦いではなくなり、「経済を回すVS コロナ収束」が、軋轢を深めつつあります。

 私が、とても興味深かったのは、自分の周囲で当初『Go Toキャンペーン』に否定的だった人たちが、(大きな声では言いませんが)“ポイント”を欲しがる(もらう)につれて、いつの間にやら肯定派になっていったことです。これについては、いずれゆっくり分析してみたいです。

 さて、少し思い出してください。いわゆる『アベノマスク』は、当時の安倍首相が側近の「マスクを配れば国民はおとなしくなります」との助言を採用したとされ、多くの国民がずいぶんお怒りだったはず。これは、私の妄想に過ぎませんが、お次は「ポイント配っておけばおとなしくなります」と助言した人がいたのではないでしょうか。

 「アベノマスク」と「Go To」の大きな違いは、前者は国民が平等に受け取れたのに対し、後者は旅行や外食を控えている、、つまり我慢をしている人に何もないことです。数ヶ月前には医療従事者に感謝!エッセンシャルワーカーに手当を!と言っていたような人が、予算が締め切られる前にGo Toしてくるわ!ってなるんですから、人間なんてラララララーラ。

 Go Toした人(と業者)だけが恩恵を受けるのではなく、その一部がエッセンシャルワーカーと呼ばれる人や事情があって出歩けない人たちのために使われるような仕組みにしようなんて話や、自主的に寄附しましたなんて話は、私の知る限りではないのですが、皆さんの周りではいかがでしょう。

 

 もちろん負の側面だけではありません。ここまで、Go Toが果たした最大の功績は、過剰な恐怖心を抱く人を減らしたことです。緊張した世の中に息抜きの効果もあったでしょうし、希望を感じた人も少なくなかったと思います。

 しかし、ここからはどうでしょうか。陽性者数が増えている局面で、「経済を回すため」という理由だけで不安を解消できるでしょうか。 経済の名の下に、次は自分が犠牲になるのかも知れないという、第1、2波とは異なる不安を感じ始めている人が増えていると思います。

 私は、国家の一番の使命は、国民を不安にさせないことであると思っています。

 悪夢だったと揶揄される元民主党の管元首相でも、O157のとき(当時はまだ連立内閣の厚生大臣)には、風評被害を受けたカイワレを食べて国民の不安を解消しようと躍起でしたし、東日本大震災のときには、首相も官房長官も後の評価はどうあれ、必死さが伝わってきました。

 しかし、ここ数日、管首相や閣僚たちが国民に向けてしたことは何でしょうか。食べ方の指南くらいで、あとは特になし。

 せめて、Go To出来なかった世帯に『ホットケーキミックス』を配るくらいのことはしていただけないものでしょうか。よろしくお願いいたします。